競技スポーツ中心停止の発生率

競技スポーツ中心停止の発生率

カナダの大学の研究グループが、カナダの特定地域でスポーツ活動中に発生した突然の心停止をすべて同定し、その原因を調査した結果、その発生率は、運動選手10万人年当たり0.76件であり、競技中の構造的心疾患による突然の心停止の頻度は低いことが分かったと報告していた。

2009~14年に12~45歳の集団で推定総フォローアップ期間は1,850万人年。 試験期間中に、院外心停止を起こした2,144例が解析の対象。 そのうちスポーツ中の突然の心停止は74件で発生し、競技スポーツ中が16件、競技以外のスポーツ中が58件であった。

競技スポーツ中の突然の心停止16件の競技別の内訳は、レース競技(マラソン、バイアスロン、トライアスロンなど)とサッカーが4件ずつ、バスケットボール、アイスホッケー、柔術が2件ずつ、野球、ラグビーが1件ずつであった。 競技以外のスポーツ中では、ジム練習(12件)、ランニング(9件)が多かった。 これはこれで意外。

年齢別でみると、12~17歳が4件、18~34歳が9件、35~45歳は3件で、全体の発生率は運動選手10万人年当たり0.76件。 退院時の生存率は競技スポーツ中が43.8%、競技以外のスポーツ中は44.8%とほぼ同じだったそう。

原因別では35歳未満では原発性不整脈(6件)と構造的心疾患(肥大型心筋症、冠動脈奇形:5件)が多く、35~45歳では全例が冠動脈疾患であった。肥大型心筋症による死亡は2件で、不整脈原性右室心筋症による死亡は認めなかったそうであり、突然の心停止のうち3件は、事前スクリーニングを受けていれば同定が可能であったと考えられるが、それでも尚心電図ベースの事前スクリーニングと併用しても、患者の80%以上は同定されない可能性があるのが現実。

このデータは決して他人事ではなく、スポーツの現場に接する人間全員が常に考えねばならぬ事実である。 昨日の通り、質の高い現場とは何かを今一度考えなおさねばである。