人の触覚、知覚能力の遺伝子

人の触覚、知覚能力の遺伝子

小生のこの数年の治療方向性のヒントにもなった、2014年の某論文の次の話し。

先月米国で、ヒトの機械知覚に関与する遺伝子を特定したという研究報告があった。

機械知覚は機械刺激を検出し変換する感知能力に依存し、ヒトや動物の周辺環境に関する重大な情報を提供する。 社会生活を送るうえで重要かつ必要となる感覚であるだが、その基礎をなす分子・神経メカニズムは、十分に解明されていなかったそうなのだが、今回の研究で新たに明らかになったそうだ。

特異的な神経筋および骨格を有する患者について、RNA解析、機能的脳画像検査、心理身体および運動テストを行い、蛋白質機能と身体知覚への変異遺伝子の影響を調べた結果、機械感受性チャネルであるPIEZO2に複合体不活性化変異が認められた。

表題にも書いた2014年の機械刺激を電気シグナルに変換する論文から、PIEZO2については折に触れ治療の方向性を見直す事に役に立っている。 今回、有毛皮膚においても触覚認知識別能力の選択的な喪失が認められた一方で、特異的な弱い機械刺激には反応を示したともあった。

自己受容に触れた部分も大変興味深く、患者に目隠しをして視覚機能を奪うと、自己受容が著しく低下し、運動失調とディスメトリア(四肢の運動距離測定障害)が著しく増悪し、一方で、自己受容にかなり依存していると思われるタスク(歩くこと、話すこと、書くこと)の実行能力は維持されていたという。

刻一刻と時代は進み、様々な事が進化する。 常に努力は惜しみなく。 気が付いたら自分だけが取り残されているのだから。