珍しい病気、肥満細胞症。

珍しい病気、肥満細胞症。

肥満細胞症という病気をご存じであろうか? 以前一度、大学病院でそう診断された患者を診た事がある。 先日米国の研究で、その病気に対する新薬の有効性が国際多施設共同の研究で確認されたという。

かゆい発疹や皮膚の膨隆、顔面紅潮、消化器の不調、時には骨の痛みが現れる事もあるこの病気、体のさまざまな部分に肥満細胞が異常に蓄積する珍しい病気である。

肥満細胞症は主として皮膚に症状が現れるもの "皮膚肥満細胞症" と、他の部位に症状が現れるもの "全身性肥満細胞症" があるのだが、今回後者の全身性肥満細胞症に対する新規開発薬midostaurin(PKC412)の有効性が確認されたそうである。

対象被験者の中には致死率の高い異型肥満細胞白血病の症例も含まれており、予後不良で有効な治療選択肢がないまれな造血器腫瘍を伴う進行全身性肥満細胞症患者にとっては、非常に朗報である。

皮膚にかゆみを訴える患者は日々多数いる。 温度の変化、衣類などとの接触、ある種の薬剤(非ステロイド性抗炎症薬など)の使用で逆に症状が悪化とか、熱い飲みものや香辛料の入った食品、アルコール類の摂取、そして運動によってもかゆみが増すなど、当たり前のように患者の訴えをスルーせず、真摯に耳を傾けなければならない。

改めて研究の先生方に敬意を払う。