視力矯正手術の10年後。

視力矯正手術の10年後。

レーシックよりワンランク上の視力矯正手術と言われているICL(有水晶体眼内レンズ)手術。 ウチの患者からも最近たまに聞かれるようになったその手術、レーシックに比べて光学的特性に優れており、より良好な視機能が期待できる、レーシックでは対応できない強度近視や角膜の薄い症例に対応できる、レンズの摘出・交換により、度数の変化に対応でき、元の状態に戻すことも可能等、利点も多く世界中で注目もされている。

その反面、短期および中期的な矯正効果と安全性は良好であるが、重大な合併症として白内障が知られている。 今月初め、スイスの研究でICL挿入10年後の予後を後ろ向きに検討調査をした。

日常的に眼底検査も診察に取り入れもしている小生としては、やはりこの手の話しをスルーする訳にはいかぬ。

ICL挿入術を行った78例133眼(男性34例、女性44例、登録時の平均年齢38.8±9.2歳)を対象として、ICL視力矯正手術10年後の白内障発症と屈折予後について調査。 主要評価項目は、白内障手術、水晶体混濁、眼圧、安定性、安全性。

その結果、水晶体混濁発生率は、5年後40.9%、10年後54.8%、白内障手術は挿入5年後で5眼、10年後で18眼であり、水晶体前面とICL後面の距離の減少と水晶体混濁発生および白内障手術との関連が認められたそうだ。眼圧に関しても10年後の時点では、12眼に局所薬物治療を要する高眼圧症が認められたそうである。

ICL視力矯正手術10年後の白内障発症と屈折予後について調査した今回の報告、新しい物に魅かれる前に慎重にという部分も持ち合わせねばと考える。 それはもちろん我々の様な徒手療法でも同じだ。 新し物好きに目を細める今日この頃である。