安易で安直な頭空っぽ運動指導。

安易で安直な頭空っぽ運動指導。

学生時代、水泳の指導を4年ほどしていた。 指導中、色々諸々疑問が出たが、残念ながら誰に聞いても満足いく答えは得られなかった。

例えば喘息。 水泳は呼吸器に良い運動ですよとは、一般的。 しかし水泳は気管支喘息のリスクでもあり、一方で気管支喘息の呼吸リハビリテーションにもなりうるという二面性を持っていると言う事を、未だ多くの者が知らない。

運動誘発性気管支攣縮に代表されるような物は、別に水泳に限ったことではないため、利益を重視する研究者のほうが多い為に良いイメージだけが先行したようだ。

一昨年の海外の研究でも、18歳以下の気管支喘息患者8試験・262人に対して、水泳の訓練の効果と安全性を調べたシステマティックレビューがあった。 水泳の訓練はおおむね30~90分で、週2~3回、期間としては6~12週継続され、水泳の比較対象としては、通常ケアが7試験、ゴルフが1試験というもの。

結果、水泳は通常のケアやゴルフと比較してQOL、喘息発作、副腎皮質ステロイドの使用というアウトカムに対して統計学的に特別有意な効果をもたらさかった。 ただし、水泳は通常のケアと比べて最大酸素消費量、すなわち運動耐容能に効果がみられ、また呼吸機能検査のパラメータにもわずかながら効果があったと報告されていた。

水泳は気管支喘息の子供の運動耐容能や呼吸機能を改善すると言う事は間違いないが、他の運動療法と比較して水泳がベストかどうかという点は、不明だそうだ。もちろん、塩素が小児の気管支喘息を悪化させると言う要因も引き続き、考慮・研究するようだ。

いっけん根拠があるように思い込んでる指導やアドバイスが、まだまだ世の中には多いのである。 真に個々に適切な指導を心がけたいものである。