ペダリング技術からみる身体的改善点。

ペダリング技術からみる身体的改善点。

いよいよ冬季オリンピックも始まるくらい冬真っ只中。 多くのスポーツはシーズンオフだが、選手にとっては既にシーズンは始まっている。   冬を制する者は夏を制す!と、この時期のトレーニングの取り組み方で今年一年、シーズンは大きく変わる。 

昔から世界各国、様々な競技・選手がオフシーズンにクロストレーニングの考えを取り入れている。 その代表例に自転車がある。 自転車運動は筋が力を発揮している時間も長く、下肢の運動における自由度が低い為、動員している筋を被験者本人が認識しやすく、また再現性も高い運動である。

しかし、素人にとっては一見簡単そうに思える自転車漕ぎ運動、ペダリングだが、その漕ぎ方によって動員される筋が劇的に変わる。その研究はヨーロッパでは昔から盛んであるが、日本ではまだまだイマイチである。

昨今、一般人が手に出来る価格でペダリングが簡易的に測定できる機器も出てきた。 小生も前職で様々な測定機器に関わってきたが、歪み・たわみ等の問題からデータの精度を問うなら日本サイクス社製のwattbikeに敵う物は無いであろう。 海外の研究施設やオリンピック選手も使用しており、非常に優れた機器である。

たとえばこの手の機器でフォースカーブを考察したとしよう。 上体の位置ひとつとってもペダル・クランクにかかる力は大きく変わる。 競技者は経験知的に当然の如く理解はしていたが、その理由、下死点における足関節の底屈動作は股関節の角度、股関節伸展筋力・膝関節伸展筋力の関係性を理解して初めて考察できるものなのでる。

股関節伸展筋力は股関節角度が小さいほど高くなり、逆に膝関節伸展筋は股関節角度が大きいほど強く働く事が出来る。 分かりやすくいえば、体幹を前傾させれば股関節の伸展筋、ハムストリングスを優先的に動員できるのである。  この場合、ペダルが下死点に達した時に後方へ力が働く為、足関節の底屈動作によってペダルを後方へ引く必要が無くなるのだ。

専門的な話しはこのぐらいにするが、要はデータの読み方では無く、根拠に基づいた正しい理解の仕方である。 データだけみて足が引けてないから足を引こう、足を意識しようでは無い。 野球肘やサッカーで膝痛めて来る患者、子供のほとんどが、やれ肘が下がってる、やれステップ、腰が使えてないと、目に見えた違いを型にはめるだけしか出来ぬ、にわかコーチ、にわかトレーナーによって起きた障害に他ならないのだ。

その動作が出来ない、出来ていないには理由がある。 例えば先程のペダリング一つとっても、上半身の姿勢を正しく保持、使えてないとしたら、その問題は胸部胸郭の動作性、肩甲部の安定性にある場合も多い。 特にアマチュア競技者は。  しかし残念な事に、その問題点を本人に定義したとしても、全くその手の話が右から左の耳に抜けているのが手に取るように分かるのだ。

テニスを毎日のようにやっている主婦などは典型例だが、テニスをしたい!!という事に頭も心も全てが支配されているので、練習の時間を少し削ってでも怪我の予防やパフォーマンスアップしようとは思わない。 言うには言うが、結果取り組まない。 マラソン好き、自転車好きも同じ。 まぁそれはそれでアマチュア、趣味なので仕方が無い。

だが一言。 自分より強い、いつも強いライバルはそこのところを取り組んでいる。 それが現代のスポーツ科学なのだ。 身体のデータをとる前に、今一度自分の心のデータを正しく取り、解析してもらいたい。