歩け歩けと言いながら無責任なアドバイス。

歩け歩けと言いながら無責任なアドバイス。

しばらく前も歩く事と心血管イベントの発症との関連を書いたが、少し反響があったので今回ももうちょっと。

「運動療法が心血管イベントを減少させる」 というエビデンスを世界規模のコーホート研究で、歩数を2,000歩/日増加させれば心血管リスク8%低下する事がされた話しを書いた。 たしかに糖尿病や耐糖能障害例では運動療法が推奨されているが、具体的なモノについてはなかなか研究がなされていなかった。

高リスク耐糖能障害例のNAVIGATOR試験において、 1)インスリン分泌促進薬であるメチグリニド系血糖降下薬ナテグリニド と、 2)ARBバルサンタン が各々心血管イベントを抑制するか否かを検討した2×2の介入試験で、いずれの薬物も心血管合併症を抑制するという結果をもたらさなかったという報告もあったそうだ。

しかし日常活動度と心血管イベントの発症との関連を観察するという検討では歩数との関係で非常に有益な結果が出たのである。

万歩計での歩数が2,000歩上がるにつれて心血管合併症発症率は10%づつ減少し、1年の間に運動量が減少すると心血管イベントは増加、逆に運動量が増えるとイベントは減少するという負の相関を示した。 この関連は肥満の有無、元来有している心血管疾患などで影響されるが、それらで補正したモデルでも、運動量とイベント発症の逆相関は変わらなかったという。 

ただやみ雲に 一日一万歩歩きましょ! などと言ってはいないか? ベースラインの状況によって適切な歩数、増加、そのプログラムプロトコルを考えてアドバイスをしているのだろうか?! 検査やデータ、知識だけでは無い適切なプログラム作り。 時折とんでもないアドバイスを病院のリハビリで聞いて来る患者もいる。 我々も他人の事は言えない。 適宜、適切に。