鼠径ヘルニアとスポーツヘルニア。

鼠径ヘルニアとスポーツヘルニア。

足の付け根の痛み、鼠径部の痛み。 一般的なのは鼠径ヘルニア。 いわゆる脱腸。腹膜や腸の一部が太もも、足のつけねの間の筋膜から皮膚の 下に出る病態。 9:1の割合で男性に多く、とくに40歳~59歳の男性に好発。だが筋肉が未発達な子供にも発症ケースはある。

もうひとつ、スポーツの世界でよくあう鼠径部の痛みにスポーツヘルニアと呼ばれるものがある。 どちらもプライマリ・ケアで目にする一般的な外科的疾患。 だがその診察においては非常に曖昧な場合も多かった。 未だにスポーツ選手の鼠径部周辺の痛みに対して、恥骨結合炎や内転筋付着部炎と診断されるケースが多くある。  当然症状はなかなか軽快しない。 そんな症状、患者が年に十数人、最近では特に小学生を中心にやって来る。

動作・筋力、筋緊張等のアンバランスによって鼠径管の後壁、いわゆる横筋筋膜の脆弱化が主な原因とされている。 

本来、鼠径ヘルニアやその他の疾患との鑑別診断は、明敏な医師・治療家であれば問診と診察で診断が出来るはず。 たとえば立位で鼠径部と大腿部の膨隆を注意深く探す。 そして術者が膨隆を観察しながら、患者にいきませてみる(Valsalva手)。Valsalvaでも膨隆を見つけられなければ、ヘルニアは疑わしくない。 そう、本来プライマリケアの現場では画像はヘルニアの診断にはあまり必要とならないのである。

手術適応で無ければ何をするか? スポーツ得意とうたっている接骨院へ行っても、単なる炎症と診断され、結局のところ電気とマッサージとストレッチ。 おまけに運動中止と言う。 イヤイヤイヤ、ソンなんじゃマッタクもって治らんし、そもそも運動休みたくないからやって来てるのに。

ココから先が当院が、180°屋号を変えてでも取り組まねばならぬと思って最重要視している運動療法が唯一、最大の治療。 あと必要なのは患者の理解と取り組み方。 言われた練習ボケっとやっていても上手くも強くもなれないのと同じで、受け身で頭使えなければ治るモノも治らない。 患者本人は当然だが、鼠径部痛の患児の保護者が心配して受診することがしばしばありるのもこの手の特徴。 皆で頭を使って頑張ろう!