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テニスエルボー、注射で治って万歳のその先...

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テニスエルボーやドゲルバン(デゲルバン)、腱鞘炎その他諸々で多くの患者がやって来る。 小生が言うのもなんだが、本来ならばその手の症状は100%と言っても良いぐらい、ステロイド注射が有効である。

しかしそれで良くなるのであれば、我々のような民間療法のところを訪れたりはそもそもしないであろう。 

治らない理由を考え治療するのが当然であるが、今回は少し治る理由も含めて別の角度から考えてみよう。

この手の臨床研究データは昔から豊富にある。 たとえば外科的手術を除いたテニス肘の治療法を 1.ステロイドの局所注射、2.抗炎症薬などの処方で様子を見る保存療法、3.理学療法 の三つに分けた研究などは幾つもある。  どの研究結果も同じで、ステロイド局注より保存療法の方が長期成績が良好であるのだ。 ステロイド局注群で治療の長期成績が悪い点について、多くの研究グループが二つの理由をあげている。  一つは、ステロイドの局注が腱を直接傷害するというもの。  もう一つは、ステロイドの局注で劇的に痛みが治まるため、患者が「痛みを起こすような動きを避ける」という医師の指導を守れず、腕を使いすぎてしまうというものだ。

まぁこのぐらいの理由は誰でも容易に想像が付く。 だが短期的(おおよそ6週間前後)でみたら、やはりステロイド局注群で92%、保存療法群で32%、理学療法群で47%と、ステロイドの成功率は高い。 たとえそれが52週後時点でステロイド局注群の治療成功率が69%まで下がったとしても、100人中69人は治っているのである。 その治った人にどんなに力説した所で、再発防止の話しを聞きいれる事はまず無い。

ではここで発想を変えて、何故治ったのかを考えてみよう。 

ステロイド系抗炎症薬の作用機序をここで書いたら一論文になってしまうし、そんなに語れるほど小生は学者様でも無い。 しかし、抗炎症蛋白質遺伝子の転写の抑制や亢進ぐらい、少しは理解しているつもりだ。 

たとえばステロイド注射のひとつであるコルチゾール系。 副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であるコルチゾール。 炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御する。 そのタンパク代謝の過程から諸々を経て、抗炎症作用等を生みだす。  そのコルチゾールはアドレナリンと同じで、ストレスに対して反応する際に放出される主なホルモンである。 ホルモンは何でもそうであるが、その分泌量によって良い事もあれば悪い事もある。 一部資料を引用させてもらえば、コルチゾールが過剰なストレスにより多量に分泌された場合、脳の海馬を萎縮させることが、近年PTSD患者の脳のMRIなどを例として観察されているらしい。

そもそもコルチゾールは分泌される量によって血圧や血糖レベルを高める。 線維筋痛症の患者に有酸素運動が有効であると言う、神経内科では常識であるが、その根拠がまだ明確ではないと言われるのだが、ひょっとしたらその有酸素運動による局所では無い、末梢に至るまでの血流改善や、運動そのもののストレス解消によるものなのかもしれない。 

それらを避け、薬のみ、局所のみの対処で仮に良くなったとしても、その根源であるストレス等は依然残り、再発した痛みを再度薬に頼り、自らのホルモン分泌能力を避け、結果、免疫機能の低下や不妊をもたらしてしまう事に繋がるかもしれないのだ。 それがコルチゾールらしい。

薬の効果効能、机上の副作用だけでは無く、その患者の内面的因子によっても多くのマイナス面を生むのである。 小生の仕事のレベルで簡単に言える事と言えば、正常な血流が保てない事による、肩こりや頭痛、筋肉の痙攣や肉離れなどと言うケースは、毎年何人も診る。 それでもその場で上記の話しをしても、多くの患者が話しを右から左だ。 

小生のスキルが低いと言う事で、今年もまた何例も戦わねばならぬであろう...