寒さのせいだとも言うが、是からの時期に多いのが関節が痛いと言う患者。 骨・肉のせいであれば問題無いのだが、それが関節炎となれば話しは違う。
急性単関節炎や多発性関節炎をどう診るか。 まず浮腫を正確に診るスキルがあっての話し。
足首や膝、発赤疼痛で急性単関節炎を考え、細菌性化膿性関節炎、痛風・偽痛風を疑う。 もちろん外傷性もあるが、それはすぐ分かる。 痛風なら蜂窩織炎との鑑別に注意せねばならない。 急激な症状の悪化で男性であるのが痛風の典型的な特徴である。
もうひとつ注意するのが偽痛風。 これがなかなか見落とさせる。 覚え方として中高年の急性単関節炎であれば、男性は痛風の可能性、女性の場合は偽痛風を疑う。 基本、関節液による鑑別診断になるのだが、我々民間療法ではそうはいかない。
ピロリン酸Ca(CPPD)の沈着による急性単関節炎である偽痛風なのであるが、熱を伴う場合、内科では想起されず不明熱とされてしまい診断がしばしば遅れてしまう事がある。 整形外科領域では高齢者には良く有る症状なのだが、お婆ちゃん病院へは行っているから大丈夫では無く、行く科によって発生する問題も予想しなければならない。 それも他科の先生よりより密な付き合いが日ごろから取り易い、我々民間療法の地域密着に必要な真のスキルなのだ。
Bulge signの見方も若い治療家には難しい。 書いたらキリが無いが、何よりもかによりも診断そのものが間違え、遅れてはテクニック以前の問題なのだ。
検査では無い、診断のスキルがこの時期多く必要となる。 そんな勉強が日々スタッフが出来れば経験値が上がる。 コツコツ積み重ねなのだから。