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疼痛って説明

当院の中心的診療科目である慢性疼痛科。  しかし意外にもこの疼痛と言う言葉の意味を正しく説明できる者は少ない。 いや、実は学生時代、解剖生理で必ず学んでいるのだが、多くを忘れてしまっているのである。

一般素人が辞書やググって知っているレベルの疼痛は、ずきずき痛むこと、うずきという国語辞典レベル。

では正確に書いてみよう。


物理的刺激やセロトニンやブラジキニンなどの疼痛物質による化学的な刺激を疼痛神経終末端が感知し、温痛覚求心経路である外側脊髄視床路を通過し、大脳の中心後回が痛みとして認識した者と言うのが、正確な疼痛である。

ここで温痛覚と言うのが出たが、幾つかある末梢神経分類、A:有髄 α位置覚、β触覚・圧覚、γ位置覚、δ温度覚・痛覚、 B有髄 自律神経、  C:無髄 s.C交感神経、Dr.C 温度覚・痛覚 であるが、痛覚を運ぶ神経はA‐δ と、Cの二つだけなのだ。 そして外側脊髄視床路の深部感覚路では無く、表在感覚経路を通って視床に行くのである。

さて、ではその脳の何処へ行くのであろうか? 中心溝うしろの中心後回、いわゆる感覚野に行く。ちなみに中心前回は運動野である。忘れてはいないか!?

小生も思い出しながら、漢字調べながら書いてみたが、この経路のどこかが遣れてるから痛むのである。  ここまでは本に書いてある事。 大切なのはここから先の疼痛の分類にある。

特に急性疼痛(4~6週間以内)の場合、それらを1次痛である体性痛と2次痛である内臓痛、そして関連痛の三つに診察で分ける。 もちろん画像診断など必要せずにだ。

この部分を正確に出来てこそ、正しい治療となる。 だが大抵の場合、思いついた一つの可能性だけで治療を行ってしまっている。 患者は素人であるから仕方が無いが、治す側が狭い視野で診断してしまっては取り返しのつかない事になってしまう。


診断学とは難しいが、治療側としては最も面白い所でもある。 スキルアップは技では無くアタマだと言う事を忘れないでもらいたい。

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2011年07月10日 08:09に投稿されたエントリーのページです。

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